速度は、(距離)÷(時間)で求められるというのは知っていると思います。
速度に関係する要素には、速度を含め、距離と時間という3つの要素があることがわかります。
距離の下の太い横線は分数の横線を表しているので、
速度を知りたいときは(距離)÷(時間)、
時間を知りたいときは(距離)÷(速度)となります。
速度と時間は乗算記号(×)で結ばれているので、
距離を知りたいときは(速度)×(時間)となります。
ここで別の問題を出します。
「120個のアメを余らせることなく1人あたり4個ずつ配ったグループと12個ずつ配ったグループがあります。この2つのグループを合わせて全員に均等に余らせることなくアメを配り直すとき、1人あたりのアメは何個になるか?」
この問題は平均についての問題です。
1人あたりのアメの数(平均)を求めるためには(アメの総数)÷(人数)となります。なので平均に関係する要素は、1人あたりのアメの数、アメの総数、人数の3つになります。
2つの問題を比較すると”10kmの道のり”は”120個のアメ”、”時速~km”は”1人あたり~個”、問題文に書かれていませんが”移動にかかった時間”は”人数”に対応することがわかります。
上の誤った解法を下の問題で使うと以下のようになります。
1人あたり4個のグループと12個のグループだから、4と12の平均で8個。
しかし、平均を求めるにはアメの総数と人数が必要だったはずです。この方法は問題で触れていない人数のことを無視して答えを求めようとしています。
各グループから1人出して2人1組を作ったのなら、その組の中では誤った解法でも成立するでしょう。しかし、上の図のように1人あたり4個のグループは20人余ることになります。12個のアメを持った相手がいないので、全グループの平均を求めたことにはなりません。
なので、アメの総数と人数をしっかり求めてから平均を計算することが正しい解法となります。
アメの総数は2つのグループの合計で240個、人数は30人のグループと10人のグループであることが先ほどわかったので合計40人、2つのグループを1つにまとめたときにアメを均等に配るには
240÷40=6
と、1人あたり6個であればよいと計算できます。
この解法で速度の平均を求めると、行きに要する移動時間は10÷6=5/3時間、帰りに要する時間は10÷12=5/6時間なので、往復に合計5/2時間かかります。
この記事では誤った解法であるとしましたが、正しい方法となる場合があります。
「30分間時速6kmで移動したあと、時速12kmで30分移動した。全行程での平均時速はいくらか?」という問いの場合です。
全行程の移動距離がわかっていませんが、移動時間が同じであれば時速の値の平均、つまり時速9kmが答えになります。