白い部分と黒い部分はともに扇形で構成されています。
扇形の面積は、
円の面積×扇形の中心角÷360°
でわかります。
どの扇形でも求まる面積の(円の面積)と÷360の部分は共通しているため、扇形の中心角で面積が決まります。また、面積の差分も扇形の中心角の差分で決まるので円の面積がわからなくても中心角何度分というような形で表現できそうです。
単純なものなら例えば、90°なら360°の4分の1なので円4分の1個分、180°なら円半個分、360°なら円1個分という具合に中心角から面積を知ることができます。
次に、隣り合う円同士の中心を結んだ線分でできる図形について考えます。
円の中心が頂点になるので、円の数だけ頂点を持つ多角形になることがわかります。
円の数をn個とした時、この多角形の内角の和は、
(n-2)×180°
となります。対角線同士が重ならないように多角形を対角線で切り分けた時にできる三角形の個数からこの式が求められます。
この角度が黒い部分の扇形の中心角の和となります。
では、白い部分の扇形の中心角の和はいくらになるのか?
円の中心角は360°なので、n個の円の場合は、360n°となります。
(白い部分の中心角の和)=(円の中心角の和)-(黒い部分の中心角の和)
なので、
360n° - (n-2)×180° = (180n+360)°
となります。
よって、白い部分と黒い部分の中心角の差は
(180n+360)° - (n-2)×180°
= 180n°+360° - 180n°+360° = 720°
となります。
720°は360°の2倍なので円2個分が白い部分と黒い部分の面積の差となります。
nという円の数を表す部分が消えているので、円が何個であっても面積の差は必ず円2個分になります。
上の問題の答えも同じでしょうか?
円が12個なので中心角の和は、
360°×12=4320°
円の中心がすべて頂点となっているので十二角形でその内角の和は、
(12-2)×180°=1800° (黒い部分の中心角の和)
白い部分の中心角の和は、
4320°-1800°=2520°
よって、白い部分と黒い部分の中心角の差は
2520°-1800°=720°
となり、同じ答えを得ることができました。
ちなみに円がきれいに2等分されている場合がありますが、白と黒どちらの方も中心角が180°=一直線で頂点がないので、円の数から差し引いて計算することができます。もちろん頂点があるとみなして計算することも可能です。
上の図の場合、12個の円のうち8個が2等分されていて、円の中心を通る線分でできた図形が正方形(四角形)なので、4個として計算することができます。
これは2等分されたものは面積の差が0だからです。
ただ、前述の通り円の個数によらず面積の差は円2個分になります。