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2021年4月16日金曜日

【数学】直交する弦の長さから円の半径を求める(円/三平方の定理)

 下の図のように円の中心を通らない直交する2本の弦の各部分の長さのみがわかっているとき、円の半径を求めるにはどうすればよいでしょうか?
円と直交する弦
弦を交点で分けた線分の長さをそれぞれa, b, c, dとします。
 まずは、円の中心Oから、点Aに線を引きます。そして、中心Oから各弦に垂線を引きます。弦と垂線の交点をQ, Rとします。
半径を求める
中心Oから引いた垂線は弦を二等分するので、
弦を2等分
となります。

 △OAQは、半径OAを斜辺とする直角三角形です。AQの長さは上記の通りで、QO = PRより
辺の長さ
となります。
三平方の定理より
三平方の定理を利用
と、弦の長さから円の半径を求める式を導くことができました。

 これで本当に半径を求められるかを確認してみます。
a=3, b=4, c=2, d=6の直交する2本の線分について考えてみます。
直交する線分
円が描かれていないので、まずはこの2本の線分がどちらも1つの円の弦であるかを確認します。
それぞれの線分について、端から交点までの長さ同士の積を求めると
方べきの定理
という関係が成り立ち、方べきの定理が成立するのでこれらの線分は1つの円の弦であることが確認できました。

 円の中心の位置は、2つの線分それぞれから引いた垂直二等分線の交点にあります。そこから線分の1つの端に線を引くと
半径を求める
上図のようになります。この線が半径であり、長さをrとしておきます。
すでに直角三角形が見えているので、斜辺以外の辺の長さを求めます。
短辺の長さは、
長さを求める
長辺の長さは、
長さを求める
となります。三平方の定理より
三平方の定理を利用
と、このように半径を求めることができました。図にしてみると以下のようになります。
円を描く