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2024年4月13日土曜日

【数学】なぜ「x≧3」は「x=3かつx>3」という誤解が生まれるのか?

 「x≧3」の意味は「x=3」と「x>3」をもちいると「x=3またはx>3」となりますが、「x=3かつx>3」であるという誤解があります。なぜこのような誤解が生まれたのでしょうか?


 個人的には、誤解の原因は「x≧3」の意味「xは3以上の数である」を「xは3以上のすべての数である」と解釈してしまったことにあるのではないかと考えています。

このように解釈した状態で「x≧3」という式を見ると、xの値の中から適当に選べば「x=3」と「x>3」を同時に成り立たせることができるように見え、結果「x≧3」の意味は「x=3かつx>3」であると誤解してしまうのではないか、ということです。

すると、さらに誤解の根本には文字の扱い方への認識違いがあるのではないかと考えられます。
上記の解釈「xは3以上のすべての数である」では、文字には同時にいくつもの数が入れられるかのような扱いをしていますが、これは誤りです。文字式において、文字に一度に入れられる数は1つだけです。(1つの文字に複数の数が同時に入っているとき、その文字は集合を表します。これは数を表す文字式における文字とは異なるものです。)

 文字の扱い方への認識違いを正せば「x≧3」の意味は確かに「x=3またはx>3」であるとわかります。

「x≧3」の意味である「xは3以上の数である」は文字式における文字の扱い方から「xは3以上の数のうちの1つである」となります。これはxに入っている数が3かそうでないかという視点で見れば「『xが3である』または『xは3より大きい数のうちの1つである』のどちらか一方である」という言い換えができます。

「xが3である」は「x=3」、「xは3より大きい数のうちの1つである」は「x>3」のもつ意味なので、「『xが3である』または『xは3より大きい数のうちの1つである』のどちらか一方である」は「x=3またはx>3」と書けます。